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カテゴリー:食育コラム

ちびっこたちの成長

ちびっこクッキング常連のM君。先日おばあちゃんから、こんなメールが届きました。 「入学祝の会食会でのこと。中華料理の円卓から家族の人数分、彩りよく上手にサラダを盛り分けてくれました。最近は台所でもお手伝いもしてくれるし、しかも的を得ているのよね。クッキングに参加しているからかな?そして、食に関わることは人間形成に大切なことだと家族一同納得をしました。」   思えばM君、最初の参加は2年前、ほとんど鬼ごっこで過ごしていてスナップ写真が1枚も無かったのでした。そのM君が1年生になり、周りに気遣いができる子に成長していることに嬉しさを感じます。   ちびっこクッキングは、何も調理人を育てようとしているわけではありません。幼児期から低学年の今しかできない食育で、食べることの大切さ、楽しさを体験を通して実感できることが狙いです。このような成長を見ることが何より私たちの励みになります。   今後も頑張れる!と思った出来事でした。

ちゃぶ台

明日葉村の村長さんから、「ちゃぶ台何処かに無いかしら?」と聞かれ、 「はてよ?確か物置にあったはず!」ということで、ガサゴソと埃にまみれ、やっとのこと取りだしたのは年代物のちゃぶ台。30年近く前に越してきた時に、ちょっとレトロな雰囲気に魅せられて、捨てられずにとっておいたのでした。 心理療法に使うとのこと。いろんな壊したいものを頭に描いて「えいやっー!」と、ちゃぶ台をひっくり返すのだという。なんか面白そう。   私にはちゃぶ台に忘れられない思い出がある。私が15の頃、夕食の時母といさかいがあった。お互いが相手を思いながらも、うまく伝えられなくて強い口調で言い合いになった時、母は私をぶったのだ。もちろん私は泣き、楽しいはずの夕餉は修羅場と化してしまった。 その時いきなり父がちゃぶ台をひっくり返したのだ。そう、寺内貫太郎みたいに・・・ね。 そして「食事の時にこういうことが一番嫌いなんだ。」と。 片づけたのはもちろん、父ではなく母と私ら子どもたちだったのだけれど、ほろ苦くも教訓として今も心に残るエピソードを思い出したのでした。 時々、「やってられないよ!」とちゃぶ台をひっくり返したいと思うことがあるけど、私はやらない。片づけるのは自分だと分かっているから・・・。   やはり食事は楽しく食べなきゃだし、ちゃぶ台をひっくり返したら楽しくなくなるしね。    

おせちに思う

年の瀬、今年もおせちの季節になりました。 スーパーには所せましとおせち料理が並んでいます。手づくりしなくてもすべて揃うし、老舗料亭やデパートでも豪華なおせちが手に入る昨今です。 「お正月なんて、今日が明日になるだけ。」なんてうそぶいたこともあったし、お盆や正月が大嫌いでした。朝から晩まで食べることの心配ばかりで、とても負担に思ったものです。 でも気がつくと・・・毎年てんてこ舞いしながらもおせち作りをしている自分がいます。(苦笑) 食べる分だけ買えばきっと安上がりなのかも知れないのだけれど、なぜ手づくりにこだわるのでしょうか。消えつつあるお正月の食文化を伝承するなどど言えば格好良いのでしょうが、本音は家庭の味を受け継いで欲しいだけなのです。台所で忙しくしている姿とともに、おふくろの味、ばあちゃんの味をいつか子どもたち、孫たちに受け継がれることを願ってやみません。 実は、今年は特選食材を奮発したのです。それがこれ。               南かやべ産の真昆布。600gで7000円以上するらしい。グルーポンで約半額で手に入れた代物です。1枚を広げるとなんと2mもありました。今まで見たことも無いこの昆布はもちろん昆布巻きになります。塩鮭とごぼう、人参を巻いて二日がかりで仕上げます。 明日は伊達巻と金団に挑戦します。金団なんて何と縁起の良い漢字でしょう。来年はお金にご縁があるかしら? 数々の縁起をおせちに寄せて受け継がれてきた、食文化はぜひともなくしたくない風習ですね。 さあ明日の午前中までに頑張って仕上げましょう。午後は手打ちそばです。  

「げんき」に寄せて

田村建設情報誌「げんき」への投稿です。   「食べることは生きること!生きることは食べること!」 「食育」などという言葉が使われだしたのは、いつの頃からなのでしょうか。法律を作ってまで、国が声高に唱えなければならないということなのでしょうか? 思えば私たちが育ったころは、貧しいながらもちゃぶ台が今でいう「食育」の場であった。家族みんなでちゃぶ台を囲み、好き嫌いやわがままを言っていたら、食べ損なう場合も多いにあったし、怖いじいちゃんには、箸の上げ下げや、もったいない精神を叩き込まれたものです。 お勝手がキッチンに、ちゃぶ台がダイニングテーブルに変わり、核家族化が当たり前の時代に、子どもたちはどのように「食の技」を身につけるのでしょうか。 自分のために何をどのように食べれば良いかということを、私は「食の技」と呼んでいます。そんな「食の技」を少しでも身につけて欲しくて、未就学児から低学年までのお子さんを対象に「わい!ワイ!ちびっこクッキング」を開催しています。好奇心旺盛なちびっこ達は、何にでも興味を示し、ヒヤヒヤ見守るお母さんをよそに、包丁使いにもてんぷらにも挑戦しています。 この子たちが将来、食べること大好き、お料理大好きな大人になってほしいと願いながら・・・

「げんき」に寄せて

田村建設の情報誌「げんき」にコラム(なす食育だより)を書かせていただいています。隔月がやっとの状況ですが、6月号に寄稿させていただきました。  

なす食育だより

春から初夏へ季節が移ろい、私の一番好きな季節です。万物が芽吹き、萌黄色から濃い緑に変わる里山の風景を眺めるのが今の季節の楽しみです。

そして今の季節の楽しみのひとつが山菜などの山の恵み。わらび、ぜんまい、たけのこ、うど、こしあぶらなどなど・・・タラの芽のてんぷらは絶品ですね。しかし、聞こえてくるのは残念なニュースばかり。放射性物質が検出されて、直売所などでも見かけることはなくなりました。いくら自己責任とは言え、食べるのにはちょっと躊躇してしまうのもまた事実です。

今私の胸に突き刺さっているひとつの話を紹介します。彼女は古くからの農家を継ぐべく都会からUターンして、果樹やしいたけを頑張ってきた人。福島の事故以来、農家も大きく変化しているとのこと。特に原木しいたけは出荷できないばかりか、今後何十年も作ることさえ無理と、栽培を断念したということです。ブログで彼女はこう綴っています。

私の胸の奥に刺さって抜けない棘・・・・放射性物質が含まれてしまった農作物を出荷してしまった農家に対し、「加害者」という言葉が使われた事。この事は、未だ胸の奥にしっかりぐっさり刺さったままだ。どっちの方向に抜いても突き刺さる、複雑な形をした釣り針のよう。

彼女たち農家も十分に被害者なのに・・・私にはかける言葉がありません。

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