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「げんき」に寄せて

田村建設の情報誌「げんき」にコラム(なす食育だより)を書かせていただいています。隔月がやっとの状況ですが、6月号に寄稿させていただきました。  

なす食育だより

春から初夏へ季節が移ろい、私の一番好きな季節です。万物が芽吹き、萌黄色から濃い緑に変わる里山の風景を眺めるのが今の季節の楽しみです。

そして今の季節の楽しみのひとつが山菜などの山の恵み。わらび、ぜんまい、たけのこ、うど、こしあぶらなどなど・・・タラの芽のてんぷらは絶品ですね。しかし、聞こえてくるのは残念なニュースばかり。放射性物質が検出されて、直売所などでも見かけることはなくなりました。いくら自己責任とは言え、食べるのにはちょっと躊躇してしまうのもまた事実です。

今私の胸に突き刺さっているひとつの話を紹介します。彼女は古くからの農家を継ぐべく都会からUターンして、果樹やしいたけを頑張ってきた人。福島の事故以来、農家も大きく変化しているとのこと。特に原木しいたけは出荷できないばかりか、今後何十年も作ることさえ無理と、栽培を断念したということです。ブログで彼女はこう綴っています。

私の胸の奥に刺さって抜けない棘・・・・放射性物質が含まれてしまった農作物を出荷してしまった農家に対し、「加害者」という言葉が使われた事。この事は、未だ胸の奥にしっかりぐっさり刺さったままだ。どっちの方向に抜いても突き刺さる、複雑な形をした釣り針のよう。

彼女たち農家も十分に被害者なのに・・・私にはかける言葉がありません。

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